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一過性脳虚血発作

―Transient Cerebral lschemic Attack―

<定義>

 米国脳卒中専門委員会による脳卒中の分類3版によるTIAの定義は以下のごとくである。一過性脳虚血発作(TIAs)は短時間の局所脳機能障害であり、障害部位は、単一の脳血管潅流領域(左または右の頚動脈、椎骨脳底動脈)に限局し、脳虚血以外の原因が考えにくいもので、発作持続時間を便宜的に24時間未満のものとする。発作持続時間が長いほどCT、MRIで梗塞巣が認められる傾向がある。一般的には、発作は5分胃内に極期(多くは2分以内)に達し、持続時間は2~15分である。数秒間で消失するきわめて短時間の発作はTIAである可能性は少ない。発作はしばしば反復することが多いが、持続する神経欠落症状を残すことはない。この定義には入らないがTIAに含めざるを得ない発作もありうる。

<TIAの成因>  

TIAの成因には①微小塞栓説、②血行動態障害説、③脳血管攣縮説があげられているが、現在、微小塞栓説が主因とされている。すなわち、欧米に於ては、内頸動脈起始部のアテローム硬化に伴う潰瘍部に生じた血小板血栓がはがれて血流に乗り、頭蓋内血管を閉塞させると考えられている。日本では、頭蓋内内頸動脈や中大脳動脈も動脈硬化病変に基づくとされているが、近年食生活の変化とともに、欧米型の動脈硬化病変が増加してきている。血行動態障害説の病態としては、動脈の一部に狭窄や閉塞があるが、側副血行により正常血圧下では代償的に血流が維持されている。血圧の短時間の低下により局所神経症候が出現し、血圧の回復とともに症候が消失するものと考えられている。この病態の直接的証明は困難であり、頻度については不明である。

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