ラクナ梗塞について
穿通枝の閉塞によって起こった小梗塞巣が軟化し、吸収された跡にできた小空隙をlacuneと呼んでおり、3~4㎜のものから、大きいものでは20㎜に達するものまで色々であり、運動・感覚障害など、臨床症状を明らかに呈するものから全く何の症状も現さないものまで色々である。
穿通枝の代表的なものは、レンズ核線状体動脈であるが、lacuneを見る部位としては被殻(37%)、橋(10%)、視床(14%)、尾状核(10%)、放射冠(10%)、内包(10%)、大脳白質など穿通枝領域に分布している。多くの場合(75%)多発性である。大・小脳の皮質、間脳、延髄、脊髄などには見られない。皮質枝にlacuneができにくいのは、本来比較的太い血管であるところに、血管吻合が穿通枝より多く、梗塞が起きにくいためと思われる。
<様々なラクネ症候>
- 無症候
- 不全片麻痺のみ
- 半身感覚障害のみ
- 片麻痺+同側の運動失調
- 不全片麻痺+失語症
- 不全片麻痺+感覚障害
- Weber症候群
- Wallenberg症候群
- 痴呆
- 一側下肢のみの脱力
- 一側顔面神経麻痺のみ
- ヘミバリズム
- パーキンソンニズム
- その他
まとめ:ラクナ梗塞では様々な症状が出現する可能性がある
<参考文献>脳神経疾患のみかたABC;医学書院