脳出血の概念と症状、出血の種類について

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概念

脳実質内での出血を脳出血と呼ぶが、脳出血は、出血性疾患,外傷,動静脈奇形,嚢状動脈瘤,その他でも起こりうるが、最も頻度が多く重要なのは高血圧性脳出血である。したがって一般に脳出血という場合には高血圧性脳出血を指す。

特徴

脳出血好発部位のあることが大きな特徴であるが、これは血管壊死の好発部に一致する。すなわち大脳では被殻付近と視床とが好発部位であり、前者は外側型、後者は内側型と呼ばれる。外側型は線条体動脈外側枝にできた小動脈瘤の破綻によるもので、最も多くこの動脈は古くから脳出血動脈としてよく知られている。大脳以外では小脳の橋が出血の好発部位である。頻度は外側型>内側型>小脳>橋の順である。そのためX線CTの普及以来以前に比し皮質下出血をみることも増えてきたが、これは若年者では動静脈奇形、老年者では血管アミロイド変性の破綻によるところが多いと考えられている。

大脳半球外側型出血

被殻出血あるいは内包出血ともよばれ、脳内出血の中では最も多く約40%を占める。被殻に限局した小出血の場合には、ほとんど意識障害もなく、不全片麻痺のみを呈し、回復もよい。中等大になると出血が内包に及び、その大きさに応じて種々の程度の意識障害を呈し、顔面下半や舌を含む片麻痺と、同側の感覚鈍麻を見るのが一般である。さらに病巣側に向かう共同偏視を見ることがあり、また優位半球では失語症も認めることもあるが、脳梗塞の失語症より軽く回復もよい。同側性半盲を呈することもある。この型は一般に予後はよいが約30%が続発性脳室出血を起す。

大脳半球内側型出血

視床出血とも呼ばれ、脳内出血のほぼ30%を占める外側型より重篤かつ全身症状の強いことが多く意識障害,片麻痺,半身知覚鈍麻などを呈することは外側型と同じであるが、意識障害や感覚障害の強いのが特徴である。典型例では眼球が下内方に偏位するほか、縮瞳,瞳孔不同症,対光反射消失などの瞳孔異常を認めることがある。この型は、外側型に比し倍近く脳室穿破をきたしやすく、予後もより不良である。

橋出血

脳内出血の約10%を占める。典型例では、急激に起こる昏睡伴った四肢麻痺を主徴とする。麻痺はごく初期には交代性片麻痺を呈する例もあるが、一般には対称性四肢麻痺呈し、病的反射は出現するが筋トーヌス(筋緊張)は弛緩性である。瞳孔は著しい縮瞳を呈することが多く、眼球はしばしば中央に固定され、頭を受動的に動かしても眼球運動のみられないことが多いが、眼球の間欠的上下運動や麻痺側に向かう共同偏視をみることもある。高熱は発作数時間後より末期まで続き、発汗異常、顔面紅潮などの自律神経症状もみられる。血圧は従来からの高血圧がさらに序章するがやがて循環不全を来たす。種々の呼吸異常も呈しやすい。症状は大脳半球出血例の脳室穿破時のそれと似ているが、初期からの左右差に乏しいのが特徴である。最も予後が悪く、従来すべて致死的と考えられてきたが、X線CTが普及されるにつれ予後のよい橋の小出血もかなり見出されるようになった。

小脳出血

頻度は小脳出血とほぼ同じで、脳内出血のほぼ10%を占める。限局性のものは、歯状核周辺の出血のみでしばしば見逃されるほど症状が軽いが、ある程度以上のものでは第4脳室に穿破し橋出血類似の症状を呈する。しかし初期の症状からよくみると橋出血とはかなり異なる。すなわち最初は高血圧,頭痛,めまい,反復する嘔吐などが急激に起こり、麻痺はないのに歩けないという症状が起こる。

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